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2006年 02月 10日

日仏生活比較学論序説 vol.5 フランスの規範意識について

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こっ、コレは一体、何をしているのだ?

白いTシャツにブルーの競泳用の海パン、黒いタイツに白ソックス。
トドのような体型の男性が太いおなかをゆらしながら、ダイブする。

パリ16区、東京で言えば田園調布か成城のような高級住宅街の
一画での出来事。どうやら、TV番組の撮影のようだ。おおかた、
お笑い芸人の企画ものなのであろう。日本の深夜番組のような
バカバカしいノリ。身体を張った芸に、道行く人々の笑いを誘う。
16区の毛皮のコートを着たお金持ち風のおばあちゃんもあきれた
ような表情で眉をしかめつつも、頬をゆるめて笑っている。

こんな時にふと思った。おそらく無許可でのゲリラ撮影。日本でこれを
やれば、たちまちのうちに通報されTV局の担当者は責任問題となる。
正規の撮影であれば、僕のような通りすがりの者がカメラをむければ
速攻で警備員がかけつけてきたものだ。それが、日本だった。

フランスの法律はダブルスタンダードなところがある。わかりやすく言えば、
厳密に言えば違法ということと、大したことではなければまあ、いいのでは
という、ゆるーい感じがある。例えば、電車の中の携帯電話。日本では電車
の中で携帯が鳴れば文字通り白い目で睨まれるそうだが、フランスでは、
それほどのことはない。いちおう使わないようにとは、なっている。しかし、
考えてみれば電車の中で友人と話をすることも携帯電話で話をすることも
本来、あまり差はないはずだ。心臓のペースメーカーの問題があるとしても、
その問題は医療機器メーカーや携帯電話のメーカーが解決すべき問題なの
ではなかろうか。電磁波が身体に悪いなら、そんな有害なものが出ないよう
にしてから製品にするのがスジなのでは、ないだろうか。

ちなみに、フランスでも病院の中は携帯電話の使用は厳密に禁じられている。
しかし、実際には、まあ、許されている。 いろいろ連絡をとらなければならない
ことも多いからだ。ただ、これは小さい声で言わなければならないことでもある。

このように、法律や規範にたいする考え方、あるいは国民の感じ方は国によって
様々なのではないだろうか。日本、ドイツ、アメリカは「ルールは、ともかく守ら
ねば」という社会。本当に守らなければならないルールと、まあ、いいかという
曖昧なルールの存在するフランス社会。どちらがいいとは言わないが、
「まあ、いいじゃないですか」 というのが、おおらかな性格の僕の好みではある。

 
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あっ、TVカメラが僕を撮っている。観光客風のカメラを構えた東洋人
という、おいしい役どころで僕はフランスのお笑い深夜番組に映ってしまうのだろうか。
まあ、いいか。 フランスだから。

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by paris-tsuzuki | 2006-02-10 07:45 | エッセイ