「パリ Paris」 カメラマン都筑 清の写真ブログ

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2006年 04月 06日

フランス CPE(初期雇用契約法)vol.9

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「パリ第8大学は機会均等法に反対しスト決行中」

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<CPE問題をめぐる政治的状況>

まずは3月28日以降の事態の流れをまとめてみよう。
1、憲法評議会はCPE法案に議会手続き上の問題はないと判断。
  これにより大統領が署名すれば法案は完全に成立してしまうことになった。
2、シラク大統領は国民にテレビ演説を行い、2年の試用期間を1年とすること。
  解雇の際は理由を明示すること、の2点に修正を加えて審議し直すべきとした。
3、この案に対して野党、学生、労働者は全面撤廃でなければ意味がないとして
  4月4日のデモを決行することを表明。ドビルパン首相は撤廃を否定。
4、そこへサルコジ内務大臣がこれ以上の暴動の拡大を防ぎ、治安を維持する
  ためCPEを一時凍結し政府は話し合う用意があると学生、労働者に呼びかけた。
5、4月4日にデモは行われたが4月5日学生と労働者の代表が上院議会に出向き
  話し合いがもたれた。

要するに政府側は妥協の姿勢を見せ、それに対し学生、労働者側も歩み寄る方向
へと向かっている。


フランス CPE(初期雇用契約法)vol.9_e0029085_14384381.jpg


フランス CPE(初期雇用契約法)vol.9_e0029085_14403158.jpg<4月4日デモ現場の様子>

3月28日のデモと決定的に違うのは
参加者の雰囲気。高校生、大学生は
いつものように元気一杯。労働者組合
のオジさん達は淡々と行進している。
そして、家族連れや老夫婦などがデモ
行進に参加できる状態になっていた。
いわゆるカスールと言われる暴力的分子
もいないとは言わないが3月28日と比べ
人数は少ないように感じられた。

デモ行進のゴール地点プラスディタリー
では、学生達は車座になって路上に座り
コーラやビールを飲みながら話し込む。
広場には大音量のレゲエミュージックが
流され実にまったりとした空気が漂って
いた。

いつもはヘルメットをかぶって撮影して
いるカメラマン達もヘルメットを手に持ち
「今日は静かだね」と話し合うのみだった。


<今後の動き、観光等への影響について>

フランスは今週末からの約2週間、春休みとなる。
そのため、この間の動きはほとんどないと見られる。
ただこれからの季節いわゆる春闘も含めて交通機関
のストは毎年行われる。ストと言っても全てが止まる
わけではなく地下鉄やバスは間引き運転がされること
となる。すなわち5分間隔で運転されていたものが10
分間隔になるという程度。多少の混雑は予想されるが
大混乱という事態にはならない模様。

主要産業が観光と言っても過言ではないパリ。
ルーブル美術館やエッフェル塔といった観光地は
通常通りの営業。警備の警官隊の人数は普段
よりも多く感じられるが、警官が近くにいるところ
は逆に安全ともいえる。

パーカーのフードを頭にかぶりダブダブのジャージ
やジーンズをはいた若者が十人以上のグループを
作っている場合、カスールの可能性があります。
これらのグループには決して近づかないように
して下さい。



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by paris-tsuzuki | 2006-04-06 14:14 | ジャーナリズム


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