「パリ Paris」 カメラマン都筑 清の写真ブログ

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2005年 12月 11日

パリ16区の蚤の市

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パリ16区、ラジオ・フランス
の近くで蚤の市が開かれていた。

16区と言えば、パリでは高級
住宅街として知られる地域。
そこには、まさにマダムという
方々がお住まいでいらっしゃる。
今の季節、皆さん毛皮をお召し
になっている。左のマダムを
見た時、僕は「おお、16区」
とばかりに撮ってしまった。
実際にこういうマダムを目の前
にすると、美輪明宏か蝋人形か
という感じがする。

ところで、16区に代表される
パリの上流階級や、そのファッ
ションに対する人々の捉え方は
日本と現地であるパリとでは、
まったく違う。日本では「高級」
「上流」は良い意味で使われる
ことが多い。しかし、パリの人々
の多くは、それに対して否定的、
あるいは嫌悪している。


パリ16区の蚤の市_e0029085_591116.jpg
なぜ、高級ブランドの宝庫とも
いえるフランスの国民が「高級」
を嫌うのか。それは、この国の
歴史に由来する国民性ではない
だろうか。フランス革命の時に
は、窮乏する国民を顧みない王
を断頭台に送る激しい国民性。
人は生まれながらにして平等で
ある、というキリスト教の教え
と、生まれながらにして親から
受け継いだ財産で、のうのうと
生きている人達がいる現実との
ギャップに対する怒り、嫌悪感。
かかる社会構造は、21世紀の
現在でも、あまり変化はない。
親の財産で、良い教育を受け、
いい仕事に就く。16区に住み
高級ブランドを身につける。
この国の歴史からすれば、こう
いうライフスタイルの人々が、
大多数の国民から忌み嫌われる
のは、当然ではなかろうか。



蚤の市でみつけた、1939年製の時計。

今も変わらず、時を刻み続けている。


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by paris-tsuzuki | 2005-12-11 05:47 | パリのマルシェ


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